HIVの起源、カメルーンのチンパンジーと特定
2006年05月26日06時18分
世界的な感染拡大が続いているエイズウイルス1型(HIV1)は、アフリカ・カメルーンに生息している野生のチンパンジーが起源となっていることを、米アラバマ大などの研究チームが明らかにした。初めて実施された大規模な現地調査と遺伝子解析による成果で、従来の見方を裏づける結果となった。26日、米科学誌サイエンス電子版に発表する。
HIV1の起源をめぐっては、よく似たサルエイズウイルス(SIV)がこの地域のチンパンジーから見つかっていることから、これまでもチンパンジー説は有力だった。ただ、生息地域が隔絶されていることや、チンパンジーが絶滅の危機にあるといった理由で、研究は進んでいなかった。
研究チームは、チンパンジーのふんから感染ウイルスの遺伝子を見分ける方法の開発に成功。カメルーン南部の森林10カ所で採取した446匹分のふんを分析した。
その結果、今回調べたチンパンジーから、これまでに見つかっているSIVのなかで、最もHIV1に近いウイルスを見つけた。
これまで感染が判明したケースは飼育動物がほとんどで感染率が2%ほど。野生のチンパンジーの感染実態はよく分かっていなかった。今回の調査では、あるグループの感染率が35%と高率だった。
研究チームによると、このSIVが20世紀初め、一帯にすむチンパンジーからヒトへ、種の壁を超えて感染した結果、HIV1になったと考えられるという。
また、エイズウイルスは突然変異を繰り返すことから、多数の遺伝子の種類がある。今回の調査以外、ほとんど調査が進んでいないこの周辺地域では、まだ発見されていない新しいウイルスが存在する可能性があり、ヒトへ感染する危険もある、と研究チームは指摘している。
これ、ひとことオチをつけると、「だれか、ヤったんですかねぇ?」っていうことになるのですが、そんなことでは片付けられません。
インフルエンザも鶏が持っていたものが突然変異的に伝染したということでしたから、この調査結果は信頼性があるのかもしれない。
ちょっと前にトレンドになったゲノム分野もいまは、ちょっとブームが去ってますし、DNA組み替えとかのこういった、生物の神秘的なところは冒してはいけない気もするのですが、ウィルスの突然変異のメカニズムは解明できると、治療や予防といった分野で役立てるのかもしれない。
そのまえに、やっちゃぁいかんよ、やっちゃぁ(それですか)