今週は、有力作品の公開。
プロモーションも上手だったけど選んだのは。
『それでもボクはやってない』
周防監督、12年ぶりの映画だそうです。
【ストーリー】
大事な就職の面接を控えた日の朝、大勢の通勤客に混じって満員電車から駅のホームへ吐き出されたところを痴漢に間違われ現行犯逮捕されてしまった金子徹平。連行された警察署で容疑を否認すると、そのまま拘留される。その後も一貫して無実を主張するものの、結局は起訴される事に。徹平の無実を信じる母や友人・達雄の依頼でベテランの荒川、新米の須藤の二人の弁護士が徹平の弁護を引き受け、いよいよ裁判が始まる…。
「
goo映画」より引用
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「
それでもボクはやってない」 by
ありふれた毎日
それでもボクはやってない by
あす☆パラ
「それでもボクはやってない」恐いって!もお電車乗れんて!!
by
シネマ親父の“日々是妄言”
相変わらず、ネタバレ気にせずあげちゃいます。なので、下まで、ずーっと見ないでください。
時系列に関係なく、方々trackback することをご容赦ください。
【解説】
やってないことをやってないと主張するのは真っ当な事であるはずだ。ところが、逮捕から取調べ、拘留、起訴の過程で、誰もそんな主張には耳を貸さない。これは辛い。疑われた者は端から犯罪者扱いである。ゆえに、たとえ無実であっても無罪を勝ち取るのは難しい。まして被害者は女子学生。片や逮捕された男は就職活動中のフリーターだ。勇気をふるって痴漢を捕まえた少女に当然ながら同情は集まる。果たして加瀬亮演じる主人公・金子徹平は無罪か有罪か。『Shall We ダンス?』の周防正行監督が痴漢冤罪裁判に注目し11年ぶりに放つ新作は裁判を通して矛盾だらけの日本の姿そのものをも浮かび上がらせる。見応え充分の作品である。
「
goo映画(
タイトルトップ)」より引用。
【感想】
周防正行さんの、12年ぶりの作品、しかも冤罪と日本の法曹界の問題点を話題にしたというふれこみだったので、早速見ました。
最初の逮捕シーンから結構淡々とかつスピードを持ってストーリーを動かしていったので、途中1度だけ時計が気になりましたが、裁判が始まってからは、時間の経過は気になりませんでしたね。
とはいいつつ、これは、リアルに感じるでしょうね。
確かにリアルなほうです。
淡々とつづるというのは、最近は流行りまくってる演出手法ですが、この場合も時間軸をしっかり設定し、主人公と検察、裁判官、弁護士も含めた支援者の心の動き、表情がよかったですね。
そして、何度もの公判を経て、「被害者」の喚問後、保釈、そして、そこからは、無罪をどうやって勝ち取るかという努力と苦労が上手に描かれています。
そして、結末。
ハッピーエンドでもないのですが、この判決内容も、うーん、ここにおちつくんだろうなぁって思ってしまいます。
これも、事前にフリが仕込まれてますね。
周防正行さんは、TBSラジオ、ストリームのポッドキャスト(先週水・木だったと思います)他で語ってらっしゃいますが、感傷的にさせずに、起きたことを淡々とつづったのがよくわかります。
見終わってからでも聞いてみるといいかもしれません。
【私の採点】
★★★★
(満点10点 ★:2点。☆:1点)
実は、8.5にしたい8です。
9にできないのは、裁判後の弁護士と家族、関係者の打合せ。
弁護士ものでは、最近は、結構ストーリー・戦術も重視されることを示すケースがおおいですよね。
しかしながら、これは、事前にもう少し打合せをすると思うんですね。
それが物足りない。
それから、主人公をキレさせるところも、ああなると絶対にダメだということをもっとアピールしなければいけないですね。
それから、カメラのアングル。
この辺は、スタッフではなく、制作が某お台場組が噛んでいるといったところで、左右されたかな。
最後の判決のシーンは、おそらく主人公のイメージは、引いて撮ってるほうが絵になったかもしれない。
判決文とか罪状認否についても周防さんは気になっていたのかもしれませんが。
脇役、またすばらしいです。
小日向文世さん、裁判官役でも立派に敵役を演じきってます。
次に 正名僕蔵(まさなぼくぞう)さん。
もう、プロと違うかという演技。
そして、山本耕史くん。
彼が実際は狂言回し役でした。
彼の変化が、この映画のストーリー上では「救い」になるのですが、ちょっと感情移入しちゃいましたね。
【製作メモ】 from
All Cinema ONLINE
上映時間 143分
製 作 国 2007年 日本(フジテレビ/アルタミラピクチャーズ/東宝)
公開情報 東宝
初公開年月 2007/01/20
ジャンル コメディ/ドラマ
《公開時コピー》
十人の真犯人を逃すとも、一人の無辜を罰すなかれ。
監 督:周防正行
製 作:亀山千広
プロデューサー:
関口大輔
佐々木芳野
堀川慎太郎
エグゼクティブプロデューサー:
桝井省志
企 画:清水賢治
島谷能成
小形雄二
脚 本:周防正行
撮 影:栢野直樹
美 術:部谷京子
編 集:菊池純一
音 楽:周防義和
照 明:長田達也
整 音:米山靖
郡弘道
装 飾:鈴村高正
録 音:阿部茂
助監督:片島章三
出 演:加瀬亮 金子徹平
瀬戸朝香 須藤莉子
山本耕史 斉藤達雄
もたいまさこ 金子豊子
田中哲司 浜田明
光石研 佐田満
尾美としのり 新崎孝三
大森南朋 山田好二
鈴木蘭々 土井陽子
唯野未歩子 市村美津子
柳生みゆ 古川俊子
野間口徹 小倉繁
山本浩司 北尾哲
正名僕蔵 大森光明
益岡徹 田村精一郎
北見敏之 宮本孝
田山涼成 和田精二
矢島健一
大谷亮介
菅原大吉
石井洋祐 平山敬三
大和田伸也 広安敏夫
田口浩正 月田一郎
徳井優 西村青児
清水美砂 佐田清子
本田博太郎 三井秀男
竹中直人 青木富夫
小日向文世 室山省吾
高橋長英 板谷得治
役所広司 荒川正義