いやぁ。業界的には予想外だらけのことをやってますが、お客さんもたくさん入っているようで・・・
『レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―』
はやばや、時間ができましたので、自分としては、めずらしく、公開第二週に見てまいりました。
【ストーリー】
大軍を率いて赤壁へ進行してきた曹操軍。曹操は疫病で死んだ自軍兵を対岸の孫権・劉備連合軍の元へ船で流し、連合軍に疫病を蔓延させる。これが原因で劉備軍は撤退、だが諸葛孔明だけは赤壁に残った。そんな中、孫権軍司令官・周瑜と孔明はお互いの首をかけての謀略を展開、周瑜は曹操軍2武将の謀殺、孔明は3 日で10万本の矢の収集に成功する。やがて曹操軍に潜伏していた孫尚香が帰還、決戦へ向けて本格的な準備が始まり……。
「
goo映画」より引用
参考サイト
excite映画 (
該当ページ)
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「レッドクリフ PartⅡ-未来への最終決戦-」誰?こんな長いサブタイ付けたの
by
シネマ親父の“日々是妄言”
Part I の私の記事は、
こちら にあります。
相変わらず、ネタバレ気にせず記事をあげちゃいます。
なので、下まで、気になるかたは、ずーっと見ないでください。
時系列に関係なく、方々trackback することをご容赦ください。
「レッドクリフ PartII -未来への最終決戦-」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
【解説】
日本でも高い人気を誇る中国の史伝・英雄譚「三国志」。その中でも最も有名な合戦である「赤壁の戦い」を、名匠ジョン・ウー監督の手で映像化。壮大な戦いと戦の最中に繰り広げられる人間模様を2部構成で描いていく。第1部にあたる本作は周瑜、孔明を中心に「赤壁の戦い」に至るまでの経緯を丁寧な描写で追う。周瑜を演じたトニー・レオンは芯のしっかりとした演技でカリスマ性を見事に表現。一方、諸葛孔明を演じた金城武は常に微笑をたやさぬ悠然とした演技で、希代の名軍師の懐の深さを印象づけることに成功した。名将たちが奮戦する戦闘シーンも迫力満点。『Part II』の公開が楽しみになる作品に仕上がった。
「
goo映画(
タイトルトップ)」より引用。
【感想】(ここでは、ネタバレはぼかします)
、
Part Iでは、「2時間半、こってりとした四川料理を食べたような感じでした。」と書きましたが、実は、えっ、これで終わり?ってそのこってり感を期待しすぎた自分がいました。
それと、この邦題はないでしょ。2時間ドラマの後編じゃないんだから、ほんとセンスないです。
でも、映画としては楽しめました。
お約束で、最初は、あらすじを日本語ナレーションで。
それだけでも、十分ですが、ジョン・ウーさん、ちゃんとタイトルバックで part I のあらすじをなぞってくれます。
ですから、日曜洋画劇場であらすじを思い出さなくても、 part I を見た人なら、なんとなくわかると思います。
お待ちかねの赤壁の戦いは、それが、前半はないんですよ。
さぐりあいのような駆け引きと純粋な周瑜と聡明な孔明、そして、まあ、欲に飢えたというか、曹操を権力者としてそのにくたらしさを増幅させるのにほぼ1時間半つき合わされます。
エピソードとしては、前回は、「八罫の陣」という、見事な戦闘シーンがあったので、眠気も吹っ飛びましたが、エピソード的には、大人しめ。それが、ちょっと2時間24分を退屈に感じる人がいたかも。そして、戦いの無意味さをヒューマンペーソスを入れることで、増幅させようとしたのですが、そう感じたか。また、周瑜と孔明の駆け引きもいいですね。でも、日本人には分け分からんしーんがあったりしますが・・・。
あそこまでは不要だったかもしれない。
ちゃんと曹操を悪者にした上で、また、曹操の配下をそれこそ、孫悟空の金閣銀閣のようにしたようなところもややストーリーをつまらなくしていると思いました。
で、あそこで、兵士を鼓舞させるシーンを作ったのかなぁ。
もう少し、つまんでもよかったようにも思うんだけど・・・。
戦闘シーンは、お見事ですよ。ややCG(SFX)とわかる炎上シーンもありましたが、かなり火薬をつかったなとわかりました。
やっぱり、中国軍全面協力もあって、迫力ありますよ。
ということで、後半を楽しみにしていれば、まあ、お金払って見た甲斐はあると思います。
【私の採点】(採点のあとは、思いっきりネタバレしますので(ぇ))
★★★☆
(満点10点 ★:2点。☆:1点)
最近、前情報は、予告編までと決めてるのですが、それ、正解でした。
それでも、ジョン・ウーさん、日本市場をまじめに考えていただいたようで、仕込みは万全でした。
でも、自分にとっては、日本語ナレーション説明とオープニングのタイトルバックに流れる、 part Iのダイジェストシーンは、ダブってしまって、ちょっとアレかなって思いました。
今回は、赤壁の戦いというマイルストーンへの盛り上げにかなり苦労したというか、ひょっとすると出演者のシーン割に苦心したあとがありありとわかり、それから、まあ単純に赤壁の戦いだけでなく、そこに関わる人たちの思いや行動を織り交ぜようとしたのが、ちょっとくどいと感じるようになったかもしれません。
でも、色的に、燃える軍団連合軍は赤で、曹操側は青というのもジョン・ウーならではの気遣いと色遣いだっりするのでしょうね。
どちらかというと、孔明は、とんちが効いている人に描かれていて、そのエピソードとか間者となった尚香の敵陣潜入シーンは、ちょっと肩の力を抜いて観ることもできましたが、それがあとに連携させているのもちょっとびっくりしたことですね。
但し、泣かなかったなぁ。切ないのは事実だけど、彼女は、それで生き残ったわけで・・・。
そして、周瑜もだけど、劉備まで「たぬき」だった(まあ、欺きは必要なんですけどね)とは・・・ このシーンなどは、なんとなく深読み好きな私には予想がついたのですが、それでもびっくりですね。
それ以外にも出陣のときの杯が酒でなく、団子(冬至だったらしい)っていうのもややびっくりでした。それを水なしで飲み込んだトニー・レオンはすごい(笑)。
ハイライトの戦闘シーンは、前作同様、これでもかと矢継ぎ早に描かれてます。火攻め、矢攻め、騎馬、それから盾を使った進攻(どうやらこれはなかったという話も)なんて、とてもおもしろいですよ。かなりメカニカルな動きが統一されていて、それが、単純な戦法なんだけど、迫力、臨場感はとてもありまして、みていて感心すらしてしまいます。
それから、曹操を追い詰めるシーン。ここでは、主立った出演者総出で3分くらいのいわば「タメ」がありますが、自分はやや引っ張りすぎと思ったりしましたし、オチもまあ、約束事とはいえ、もう少し小喬が危機に遭い、曹操側もあっさりするんでなく、じわじわやってほしかったです。
完全にどSになってましたけど。
それから、エンディングで周瑜に言わせる「勝者はいない」、これ、「七人の侍」で志村喬が行った言葉なんですけど、やっぱり黒澤監督へのオマージュ、最後まででてきました。考えてみれば、楼閣の上でおねぃさんを追い詰めるのは、あの映画(別です)だし、登場人物も連合側は7人だったりして・・・。
それ以外にも殺陣のシーンは結構黒澤映画と重複るところがありますよ。
役者としては、実際には、黄蓋がやったとされる間者をやった尚香役のヴィッキー・チャオがいい感じなんですが、やっぱり、リン・チーリンでしょうね(爆)。
是非、間近で観てみたい(爆)。
ヴィッキー・チャオでは、間者としてなかなか女性らしい活躍です。これ、やっぱり「男装の麗人」を意識してるかなぁ。あ、黒澤映画であったぞ、京マチ子さんだっけ。
あの、はらはらとさらし?を取っていくと・・・すごいです。
中村獅童さんは、役としてはいい役なのですけど、いまいちかな。
最後に2作にしたことですが、2つに分けたことは賛成、ただし、後半が2時間24分も必要だったかは、疑問というのが私の意見です。もう少し端折るか、だれか殺す(ぇ)かでもしないと、待ちきれなくて・・・。
で、ポイントはあげず(ぇ)。
ただし、これだけの長編で思う存分、人間もSFXも駆使してかつてのそれこそ肉弾戦を描ききったわけですから、ぜひ、チケットショップでまだ売っていたら前売りを買って(ぇ)大スクリーンで観るべきだと思います。
そう、いまなら一番大きなスクリーンです。
ぜひ、大きな映画館で、ふんぞり返って(ダメ)みてください。
で改めてこの記事のタイトルですが、尺もだけど、このサブタイトル、必要なの? どうせなら、「決戦」だけでもよかったのではないだろうか。
【製作メモ】 from
All Cinema ONLINE
原 題 RED CLIFF: PART II (中国原題:赤壁 決戦天下)
メディア 映画
上映時間 144分
製 作 国 2009年 アメリカ/中国/日本/台湾/韓国
(avex entertainment/TV Asahiほか)
公開情報 劇場公開(東宝東和=エイベックス・エンタテインメント)
初公開年月 2009/04/10
ジャンル 歴史劇/アクション/ドラマ
《公開時コピー》
それは、全てを見ている。
監 督 : ジョン・ウー
アクション監督:コリー・ユン
製 作 : テレンス・チャン
ジョン・ウー
製作総指揮 : ハン・サンピン
松浦勝人
ウー・ケボ
千葉龍平
デニス・ウー
ユ・ジョンフン
ジョン・ウー
脚 本 : ジョン・ウー
カン・チャン
コー・ジェン
シン・ハーユ
撮 影 : リュイ・ユエ
チャン・リー
美 術 : ティム・イップ
衣装デザイン: ティム・イップ
音 楽 : 岩代太郎
主 題 歌 : アラン
出 演 : トニー・レオン 周瑜
金城武 孔明
チャン・フォンイー 曹操
チャン・チェン 孫権
ヴィッキー・チャオ 尚香
フー・ジュン 趙雲
中村獅童 甘興
(特別出演)
リン・チーリン 小喬
ユウ・ヨン 劉備
ホウ・ヨン 魯粛
トン・ダーウェイ 孫叔材
ソン・ジア 驪姫
バーサンジャプ 関羽
ザン・ジンシェン 張飛
チャン・サン 黄蓋
※写真関係はあとで追記します。