2週間、映画どころでない感じでしたが、GWは見たい映画目白押し。
『スラムドッグ$ミリオネア』
ちょうど、某シネコンチェーンのサービスデーだったので、見ました。
【ストーリー】
インドのスラム出身の少年ジャマールは人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、あと1問で2000万ルピーを手にできるところまできた。しかし、これを面白く思わない番組のホストは警察に連絡。彼はズルをして正答を得ていたとされ、詐欺容疑で逮捕されてしまう。ジャマールは警察署での警官の厳しい尋問に対し、正答を知ることになった自分の過去を話し始める。そこには1人の少女を追い続けた彼の人生の物語があるのだった…。
「
goo映画」より引用。
参考サイト
excite映画 (
該当ページ)
映画生活(
該当ページ)
trackback from
「スラムドッグ$ミリオネア」パワフルムービーですよ!
相変わらず、ネタバレ気にせず記事をあげちゃいます。
なので、下まで、気になるかたは、ずーっと見ないでください。
時系列に関係なく、方々trackback することをご容赦ください。
「スラムドッグ$ミリオネア」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
【解説】
発祥地イギリスはもちろん、日本など世界中でローカライズされ人気となっている「クイズ$ミリオネア」。難問の続くこのクイズ番組で最後の1問までたどり着いたスラム出身の少年ジャマールは、いかにしてその答えを知ることになったのか?彼自身が過去を振り返ってその理由を話す中で、一途にある少女を思い続けた少年の人生が浮き彫りになっていく。ジャマール、彼の求める少女ラティカ、そしてジャマールの兄サリームの三人が紡ぐ物語は、純愛や欲望といったものが絡み合い非常にドラマチック。インドを中心に撮影された映像は生命力と疾走感にあふれ、観る者をグイグイと引き込む。最後の瞬間まで決して目が離せない傑作が誕生した。
「
goo映画(
タイトルトップ)」より引用。
【感想】(ここでは、ネタバレはぼかします)
アカデミー賞って、最近オフハリウッドの趣き激しい?ので、半身で見てみましたが、そのプロットの見事さと、ところどころに見える、風刺というか、いわゆる富める側と貧しい側も”ある程度”ですが、皮肉るブラックもあるのにびっくりしながらのめりこみました。
ほんと、プロットがお見事だと思います。
クイズの進行、生い立ちがシンクロするように交互にでてくるのですが、その中で、ボンベイと私などは習ったムンバイのスラム街の状況、そこで、あれこれたくらむやつの中、たくましく生きた兄弟の対比などが、まあちょっと痛いくらいに伝わってきます。
それから、インドって国について、中国もパワーがありますが、インドはもっと脅威かも。
この生命力の強さってなんだろうって思いますね。マジに撮影してたんじゃないかなっていうスラム街のシーンなどは、まあ、ハリウッドではできない、ボリウッドの凄さを感じます。
物語的には、そのまじめでひたむきであきらめない弟ジャマールのある種「火事場の馬鹿力」的なパワーで、最後はみなさん想像通り幸運をというストーリーになってますが、そんな筋だけでなく、不勉強な私などは、ドキュメントのような生い立ちには感動し、最後は拍手したくなりました。
エンディングは、やっぱりインドで作った映画。
インド映画である証拠?(爆)な、全員総出のカーテンコール的ダンスシーンもあり、これは、まあおまけ?(踊るマハラジャで経験しててよかったよー)。
できれば、満員のときでなく、ちょっとはずして(ぇ)、リラックスして見たいですね。
【私の採点】(採点のあとは、思いっきりネタバレしますので(ぇ))
★★★★☆
(満点10点 ★:2点。☆:1点)
で、べた褒めか? いえ、自分は、これは、ここまででしょう。
10点差し上げるわけにはいきませんよ。
だって、これ、井筒さんがリメイクしたら、「パ○チギ」じゃないですか。
30年代の日本なら、そう、これから、頑張るぞーって感じのストーリーですね。
で、思いっきり主人公ジャマールくんは、純粋。
そのはっきり言って危ないくらいの純粋さが2時間あふれっぱなし。
で、彼が言う、「その答えは知らない方が幸せだった」という、ここまで生涯で生きてきた中で身についたことをただ言うだけで、500万ルピーまでいくわけで、その運のよさにはまあ、感心します。そして、あくまで初恋の女性、ラティカに一途で死んでもいいくらいラティカに会おう、ラティカを助けよう、としていくわけですね。
反対に、兄のサリームは、それこそ、恐ろしいくらいに小ざかしい。それでいて、弟が邪魔になるのだけど、最後は、その弟がいじらしくなるんですね。
映画としては、番組の進行、不正行為で捕まっての取調べ中の話、それから、いまのことが同時進行でかかわるので、ちょっとわかんなくなるときもあるかもしれませんが、それこそ、取調官に私たちもなってるときもあるし、「うぉぃっ、そっちはだめーっ」っていうあえて火中の栗を拾うようなシーンもありますね。
それから、見えてくるのは、思惑の渦巻くそれこそ、騙し合いのような大人の狡賢さ。
たとえば、うその答えを教えるあの司会者。でも、彼はその司会者の迷いも見透かしてしまう。
それで、兄弟とラティカは、振り回され、サリームとラティカは、運命を受け入れようとするのだけど、ジャマールは、それを否定し、自分の思いを運命として進むんですね。
だから、徐々に、こいつに肩入れしたくなります。 そばにはいてほしくないけど(ぇ)。
物語的には、番組の盛り上がりなんて、もうある種お祭りですよね。
それだけ、パワーのあるインドの人たちの階層的な部分も見えてきますね。
最後、エンディングは、ハッピーエンドと書いたけど、そんな西洋風のものではない。ラティカと一緒になれること、それまでなんですね。なんという純粋さ。
だから、応援してしまうんですね。
映画的には、かなりインド、ムンバイでロケをやったのがわかりますが、インドの人たちのすごいパワーを感じるし、宗教的、民族的、階層的な見たくない?部分がたくさん見えてきます。
そして、画面から伝わる、躍動感、スピード感は、ダニー・ボイルの代表作「トレインスポッティング」のような感じです。
笑えるシーンもたくさんあります。
その「ミリオネア」の司会者のコメント、最初の映画スターにサインを求める時のジャマール少年の決断(!)、そう、彼は、”うん”を替える力があるんでしょうね。
それは、見てのお楽しみ。
ちょっとアカデミーのことに。
見て思ったのですが、これでは、自分なら、「ベンジャミン・バトン」に入れます。
やっぱりあっちのほうが感動しましたし、見事な満足感でした。
でも、ハリウッドの人たちとしては、この描き方、もうできないんでしょうね。
あとは、インドとっていう神秘な場所なんでしょうか。
主演のデヴ・パテルの目と耳には参りました。たぶん、あの目なんでしょうね。
そして、ラティカのフリーダ・ピントの美しさ。
インドの人は、伯母さんになるとあれ(ぇ)ですが、美人ですね。
【製作メモ】 from
All Cinema ONLINE
原 題 SLUMDOG MILLIONAIRE
メディア 映画
上映時間 120分
製 作 国 2008年 イギリス/アメリカ
公開情報 劇場公開(ギャガ・コミュニケーションズ))
初公開年月 2009/04/18
ジャンル ドラマ/コメディ/ロマンス
映 倫 PG-12
《公開時コピー》
運じゃなく、運命だった。
監 督 : ダニー・ボイル
共同監督 : ラヴリーン・タンダン
製 作 : クリスチャン・コルソン
製作総指揮: ポール・スミス
テッサ・ロス
原 作 : ヴィカス・スワラップ
『ぼくと1ルピーの神様』(ランダムハウス講談社刊)
脚 本 : サイモン・ボーフォイ
撮 影 : アンソニー・ドッド・マントル
プロダクションデザイン:
マーク・ディグビー
衣装デザイン:スティラット・アン・ラーラーブ
編 集 : クリス・ディケンズ
音 楽 : A・R・ラーマン
出 演 : デヴ・パテル ジャマール・マリク
マドゥル・ミッタル サリーム・マリク
フリーダ・ピント ラティカ
アニル・カプール プレーム・クマール
イルファン・カーン 警部
アーユッシュ・マヘーシュ・ケーデカール
ジャマール(幼少期)
アズルディン・モハメド・イスマイル
サリーム(幼少期)
ルビーナ・アリ ラティカ(幼少期)
※写真関係はあとで追記します。
※追記するとは思います。