図書館民営化――人件費削減の利点?選書に偏り? (Yomiuri on line)
図書館民営化――人件費削減の利点?選書に偏り? (Yahoo!ニュース 社会ニュース)
ちょっとは堅いネタをあげて帰るか。
昨日の報道特集でも、公務員の「カラ残業」のルポをやっていたが、公務員数を減らすための一つとして、「指定管理者制度」、「PFI」、などで、外部に委託する事業が増えている。
その利点は、
同じコストで経営できる(昇給とか考えなくていい、経費扱い可)
公務員は、窓口業務などでなく、”本来の”住民サービス等の立案、実行の
マネージメント業務に専念できる
などがある。
公共施設関係は、体育館、ホール、公民館から、果ては墓園の管理まで、どんどん、日常業務を外注し、そのコスト減をねらうケースが増えるだろう。
で、リアルな立場がちょっと入るのだが、この記事はある程度図書館関係に詳しいかたの記事だと思うので、あえて、逆手にとると、心配していることは、
サービスの低下、不均等(隣町の図書館と違うとか。。)
図書館が無料貸本屋(実際は税金で運営されているけど)になる危惧
などがあるのではと思われている。
それ以外でも体育館にインストラクター付で管理運営をさせるNPOや業者が出てきたとしても同じ事が言えるのかもしれない。
しかし、言えることは、
その「ハコ」が何の目的で作られ、何が特徴で、何を重点的に推進するか
それからあふれたものを補い、強化するのか、そこは、他の設備等で補うか
といったフィロソフィーがなく、ただ「ハコ」を求めてきたからではないか?
総合的な設備でなく、特徴ある設備にして、近隣と協力できれば、それは、それで、いい施設になるのではないかとも思う。
確かに、樋口一葉全集がない図書館はいまは厳しいかもしれないけど。。。
司書の皆さんは、頑張っている人もいるんですよね。
税金を払っているのだから、口も出す、だけでなく、手もだすようにする
のがコミュニティにおける施設ということになるのではないかな?
【yomiuri online の記事】(リンク切れ対応用)
公立図書館に「完全民営化」の波が押し寄せている。地方自治法改正によって運営すべてを委託することが可能になったためで、今年4月に山梨県で、民間に全面委託された第1号の図書館が開館し、この10日には北九州市の5館でも民営化スタートが決まった。
大阪府の堺市や大東市でも導入を検討中で、業務受託を始めた民間会社には「人件費削減」を狙う自治体から問い合わせが相次いでいるという。一方で、公立図書館の司書らからは「利用実績を上げようと選書に偏りが出る恐れがある」などと反対の声も上がっている。
図書館は自治体か公的団体が運営するよう同法で規定されていたが、規制緩和の流れのなかで、昨年9月、民間事業者などを「指定管理者」として委託できると改正された。4月にオープンした山梨県山中湖村の「山中湖情報創造館」は、図書館の全業務をNPO(非営利組織)に委託し、蔵書のうち約1000冊は村民に選んでもらう趣向も取り入れた。
北九州市は、16ある市立図書館のうち5館の民間全面委託が10日の議会で承認された。年間で、この5館分の運営費全体の約3割にあたる5900万円の削減効果が期待できるという。
新図書館が2006年4月にオープン予定の大東市や、堺市も民営化を検討しており、高田尚文・堺市立中央図書館長は「人件費などの節減分は新規業務と蔵書拡充に充てたい。民営化しても選書は市が主体で行うし、将来的にも有料化はありえない」とする。
これに対し、日本図書館協会の松岡要事務局長は「民間はベストセラーを中心に選ぶ可能性があるし、司書も専門性がつきにくい」と疑問を投げかける。
(2004/12/11/16:21 読売新聞)