VHS:家庭用ビデオデッキ誕生30周年 まだまだ健在
家庭用ビデオデッキ、VHSが誕生して30周年。世界で9億台以上が出荷され、南極観測やスペースシャトルでも使われた。DVDレコーダー(録画再生機)に代わられ、05年の世界出荷台数は90年代初頭の約6分の1の1000万台弱に落ち込んだが、開発メーカーの日本ビクターには、中国などの電機メーカーから新規の生産申し込みが相次いでいる。昭和を代表する家電の魅力は、まだまだ健在のようだ。
VHSの1号機は76年10月、25万6000円で発売された。リストラの瀬戸際だった業務用ビデオ部門の技術者らが開発に挑戦。ソニーのベータマックスと規格争いを演じたのは有名で、親会社、松下電器産業の松下幸之助相談役(当時)が支持し、VHS有利の流れができたとされる。成功を収めた経緯は、映画やテレビ番組にもなった。
現在の家電量販店では、録画再生機の主流はDVDレコーダーで、VHS機能だけのビデオデッキ(実売価格1万2000円程度から)は完全な少数派となっている。ただ石丸電気1号館(東京・秋葉原)の販売担当者、長谷川真二さんによると「主要メーカーが毎年1回は、DVDとVHSの機能を併せ持つモデルを出すなど、今でも根強いニーズはある」と話す。
DVDとの複合機を製造するのは日本メーカーだけではない。ビクターには、04年夏ごろから、VHSのライセンス生産に関する新規の契約申し込みや問い合わせが相次いでいる。中国や台湾などの電機メーカー約10社からで、新たに開発や設計はせずに完成状態に近い部品を購入して組み立てるとの申し出だ。背景には、メーカー間の競争激化でDVDプレーヤーの価格下落が激しく、VHS機能を搭載することで、少しでも自社製品の競争力を上げる狙いがあるようだ。
71年に発足したビクターのVHS開発チームの中心メンバーの一人だった梅田弘幸VHS標準センター長(59)は「レンタルビデオや、過去に録画した映像の再生という役割になってきているが、まだまだ商売になるというのはうれしい」と話している。【遠藤和行】
写真:VHS開発に携わった梅田さんと、日本ビクター製のVHS1号機
=東京都千代田区で、遠藤和行写す
毎日新聞 2006年8月15日 19時09分 (最終更新時間 8月16日 0時20分)
DVDやBru-ray、HD-DVDなどが発売され、コーナーも縮小されてますが、まだまだ、家庭同士のビデオのやりとりは、
You TubeVHSです。
おそらく、メディアというのは、丸や四角の形をしたものでなく、その都度、渡しやすい、保存しやすいものになり、シェアが高くなったものについては、メーカー都合になるでしょうが、移行していくという感じなのでしょうね。
でも、この会社を一躍世界的企業にしてしまったこの規格。
ある意味世界戦略でものを作るとどうなるかを知らしめたものなのですが、いまのところ、日本発の世界標準は、でていないように思える。