自分にとっては、長期休暇に入る前に映画はまとめ見です。
『グラン・トリノ』
話題作でもありますし、偶然上映時間があったので・・・(ぇ)
【ストーリー】
朝鮮戦争の帰還兵ウォルト・コワルスキーはフォード社を退職し、妻も亡くなりマンネリ化した生活を送っている。彼の妻はウォルトに懺悔することを望んでいたが、頑固な彼は牧師の勧めも断る。そんな時、近所のアジア系移民のギャングがウォルトの隣に住むおとなしい少年タオにウォルトの所有する1972年製グラン・トリノを盗ませようとする。タオに銃を向けるウォルトだが、この出会いがこの二人のこれからの人生を変えていく…。
「
goo映画」より引用。
参考サイト
excite映画 (
該当ページ)
映画生活(
該当ページ)
trackback from
「グラン・トリノ」すべての人へ…見てください!
相変わらず、ネタバレ気にせず記事をあげちゃいます。
なので、下まで、気になるかたは、ずーっと見ないでください。
時系列に関係なく、方々trackback することをご容赦ください。
「グラン・トリノ」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
【解説】
『チェンジリング』からほとんど間を空けずに公開されるイーストウッド監督作。『ミリオンダラー・ベイビー』以来、4年ぶりに主演も兼ねた。朝鮮戦争従軍経験を持つ気難しい主人公が、近所に引っ越してきたアジア系移民一家との交流を通して、自身の偏見に直面し葛藤する姿を描く。アメリカに暮らす少数民族を温かな眼差しで見つめた物語が胸を打つ。西部劇や刑事ドラマで築き上げた、“男イーストウッド”のヒロイズムが詰まった人間ドラマだ。主人公と友情を育む少年タオ役のビー・バン、彼の姉役のアーニー・ハーなどほとんど無名の役者を起用しているにも関わらず、どんな端役までも行き届いたきめ細かな演出がイーストウッドの真骨頂だ。
「
goo映画(
タイトルトップ)」より引用。
【感想】(ここでは、ネタバレはぼかします)
エンディングに向けて、主人公の思いがひしひしと伝わってくるが、どうすることもできない、もどかしさ(そんな気持ちの出演者もいたかな)の中、クリント・イーストウッドが伝えたかったこと、守りたいことが何なのかがひしひしと伝わってくる映画でした。
その主題については、否定的な思いになる人もあるかもしれません。自分も、どうかな?というのと、やっぱり、さらに多民族化しているアメリカにおいて、アメリカンスピリッツの変化もちょっと感じさせてくれました。イーストウッド自身も悩んだだろうあともわかります。
映画自身は、そう、クリント・イーストウッドの映画人生をみているような感じがしました。
頑固親父、口の悪さ、正義感の強さ、白人好き、などなど、あの映画、あのシーンと思ったりするようなところも多かったです。
まあ、頑固親父な口の利き方、皮肉、そして、移民との交流など、ほほえましいくらいのシーンもありますが、後半、あることをきっかけにこの男は、と思わせるシーンが相次ぎます。
で、たぶん、この映画では、神父の存在が、ある種のキーです。いままでの映画なら、神父の持っている心の動きがほぼ一般的な代表ではありますが、それは、本当に善人の姿なのか、そうとも言い切れないと思わせるところがまたなんというか考えさせられる。
エンディングですが、イーストウッドは、映画の中で絶対に死ななかったのですが、さて・・・。
この映画では、ある種の彼の古きよきアメリカへの郷愁とそこから乖離しつつある現在のアメリカに向けて、何をすべきかを言いたかったのかもしれないかな。でも、どうやら、基本は、根底は変わってないのだろうというのも彼は伝えたかったのかも。
考えてみれば、この終わり方もイーストウッドらしい、すばらしいハッピーエンドでもなく、安堵感もなく、まあ、日常起こるかもしれないことなんですよね。ただ、モン族の二人の子供と家族に向けた主人公のメッセージに希望を見出したいとなんとか自分に言い聞かせながら、映画館を後にしました。
アメリカンスピリットは、アメリカに住むすべての人が持つべきものかと。
【私の採点】(採点のあとは、思いっきりネタバレしますので(ぇ))
★★★★☆
(満点10点 ★:2点。☆:1点)
恐ろしいくらいの高評価を見かけましたが、自分は、ここがやっとでしょう。
ただ、つまらないというか退屈になるシーンがないんですよ。全てにおいて、計算されているのか、映画人として染みついている部分でやってるのか。
細かいところで、シーンの無駄がないというか。
でも、10にはできないものがありました。
ミリオンダラー・ベイビーでは、女性ボクサーに対して、自らの非を認めることにより、彼が今後背負うものがありました。今回は、何がメッセージになるのでしょう。
それは、移民の少年、タオに受け継がれたということでいいのか、それともスーなのかな。
シーンの無駄がないという点では、アジア系(イエロー)と白人とだけでなく、黒人やスパニッシュ、メキシカンなど入り乱れた人種の中で、いわゆる、「強いもの」「弱いもの」が変わっていってることも示し、主人公ウォルトの苦悩というか、ある種のいらだちと焦燥的なものがだんだん広がっていくんですね。この展開も、この物語の構成では必要だったのだと思ったり。
あの、「兄弟というのはやめろ!」は、ある種私たちの心の中にも潜む差別という言葉、習慣を思い出させてくれるものなのかもしれない。そのあとのうち解けた後の彼の心変わり。それこそ、「遠くの親戚より近くの他人」ではないですが、日本だと、遠くの親より、となりのふぃ○ぴーなになるのかな(ぇ)。それはあり得ないと思っていてもいまの東京の暮らしをみていると、何年か先には、この状況が生まれてくるのかも知れない。
昔なら、居留区って日本でもありましたよね。横浜、神戸、長崎、函館なんて、あったと言われています。その居留区に住む人、働く人、そうでない人の間でもいろんなことが日常あったと思いますが、やっぱり、私たちも根底にはそんな差別というか区別の意識がありますね。
それから、終わり方ですが、クリント・イーストウッドは、もう演技はしないという話もしてましたが、そこで、最後に伝えたかったことがこの「アメリカンスピリット」であり、「弱者を強者が救う、守るのが正しい人の生きる道であり、それに逆らったものは正すのが人間としての生き方だったりする」のかなって思います。 と言う意味では、終わり方、結末については、感想でもコメントしたとおり、アメリカに住む全ての人、いや、世界中の人に伝えたい、優しさを感じることができました。
今回は、音楽は、ピアノが中心だったと思いますが、「ミリオン・ダラー・ベイビー」のギターの音色よりも心に響きました。
なんというか、心に落ちるというのでしょうか。
で、エンドロールの歌もなんというか、単純にデトロイト湖畔の道路をただ写しているだけなんですが、その車の断続的な流れが、なんというか、心の移り変わりを思わせる感じもしたり。
イーストウッド本人が歌っているようですが、しみじみ映画を振り替えれる数分のような気がします。
そして、やっぱり、車でしょう。「グラン・トリノ」。
映画では、1972年に主人公が自ら組み立てにという設定ですが、この車種は、実際ヴィンテージモデルとして有名なんだそうです。その車種、まさにアメリカを代表する、いまビッグ3で唯一残りそうな会社(ぇ)である、フォードというところで、この年だけ作られた車、その後、アメ車でフォードの場合は、なぜか「グラン・トリノ」をモチーフに描かれたりするといった意味でも価値ある車。それが、主人公の誇りでもあり、アメリカのシンボルなのかもしれません。
他については、興味ある人は、ググってみてください。
さて、過去の作品や、「チェンジリング」に比べ、評判が低い?理由を考えてみましたが、思うに、この終わり方にあるのかなぁ、って思いますね。問題提起はしているのですが、一応の決着が見えている点があるように見えた点、それから、いわゆる「マイノリティ」への言及が見られる点では?と思ったのですがいかがでしょう。
【製作メモ】 from
All Cinema ONLINE
原 題 GRAN TORINO
メディア 映画
上映時間 117分
製 作 国 2008年 アメリカ(ワーナーブラザーズ/ビレッジ)
公開情報 劇場公開(ワーナーブラザーズ)
初公開年月 2009/04/25
ジャンル ドラマ
映 倫 -
《公開時コピー》
俺は迷っていた、人生の締めくくり方を。
少年は知らなかった、人生の始め方を。
監 督 : クリント・イーストウッド
製 作 : クリント・イーストウッド
ロバート・ロレンツ
ビル・ガーバー
製作総指揮: ジェネット・カーン
ティム・ムーア
ブルース・バーマン
原 案 : デヴィッド・ジョハンソン
ニック・シェンク
脚 本 : ニック・シェンク
撮 影 : トム・スターン
プロダクションデザイン:
ジェームズ・J・ムラカミ
衣装デザイン:デボラ・ホッパー
編 集 : ジョエル・コックス
ゲイリー・D・ローチ
音 楽 : カイル・イーストウッド
マイケル・スティーヴンス
出 演 : クリント・イーストウッド ウォルト・コワルスキー
ビー・ヴァン タオ・ロー
アーニー・ハー スー・ロー
クリストファー・カーリー ヤノビッチ神父
コリー・ハードリクト デューク
ブライアン・ヘイリー ミッチ・コワルスキー
ブライアン・ホウ スティーブ・コワルスキー
ジェラルディン・ヒューズ カレン・コワルスキー
ドリーマ・ウォーカー アシュリー・コワルスキー
ジョン・キャロル・リンチ
スコット・リーヴス
ブルック・チア・タオ
※写真関係はあとで追記します。
※追記するとは思います。