映画の日、迷ったのですが、ちょうど観てみようと思った映画ありました。
『ミルク』
お客さんですが、女性が多かったなぁ。ショーン・ペンのファンなのか・・・。
【ストーリー】
1972年のニューヨーク。金融や保険業界で働いていたミルクは、20歳年下のスコットと出会い、恋に落ちる。二人は新天地を求めてサンフランシスコに移り住み、小さなカメラ店を開店。そこはたちまち同性愛者やヒッピーたちのよりどころとなり、ミルクは彼らを快く思わない保守派に対抗した新しい商工会を結成する事になる。社交的でユーモアにあふれたミルクは、近隣住民の抱える問題に、政治的により関わりを深めていく。
「
goo映画」より引用。
参考サイト
excite映画 (
該当ページ)
映画生活(
該当ページ)
trackback from
相変わらず、ネタバレ気にせず記事をあげちゃいます。
なので、下まで、気になるかたは、ずーっと見ないでください。
時系列に関係なく、方々trackback することをご容赦ください。
「ミルク」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
【解説】
『ラストデイズ』などの、より実験的な作品に時間を費やし、本作で久々にメインストリームに帰還した感のあるガス・ヴァン・サント。ゲイである事を公表しながら公職に就いたハーヴィー・ミルクの生涯を、優しく観察し物語を紡いだ作品。特筆すべきは、ショーン・ペンが全編を通して見せる愛嬌のある演技。アカデミー賞のみならず、多数の映画賞を制覇しているペンの熱演は一見の価値あり。これまでゲイ・コミュニティーや社会の前衛的問題に興味のなかった人も、本作でミルクの人物像に触れれば、関心を持つだろう。今なお尊敬されるミルクの愛すべき人柄をフィルムに焼き付けた監督の手腕に感服し、映画化にこぎつけた彼の執念を感じ取りたい。
「
goo映画(
タイトルトップ)」より引用。
【感想】(ここでは、ネタバレはぼかします)
見終わってすぐ、「この記事、凄く感想書くのが難しい」と思いました。
映画としては、主人公の心の動き、周囲の人たちの純粋さ、またその純粋さから来る悲喜劇、そして、世にでていき、ある種マイノリティの権利獲得というアングロサクソン以外のアメリカ合衆国に住む民族にとっては、一度は通った道を描いているのですが、それが、ある程度、「当時あったこと」「当時あったんだろうなということ」を描ききっている点は評価できるのですが、いかんせん、自分には理解できない(いや、理解したいのだけど生理的な問題かも)ことがあるため、そこをフォーカスしづらいのですが、でも、書くとですね。
「でも50にはなれないよ」
冒頭のシーンから、私にとっては、ショッキングな”出会い”から始まるこの映画は、40を過ぎ、これまでの自分から一歩外へ踏み出した主人公が、やがて自分の同士が安心して集える場所を作り、その気持ちに悩んでしまっている若い人たちに語りかけ、そして、いつしか、自分がすべきことがわかったのであるが、それが、あっけなく、その40歳の誕生日に”恋人”となった相手に出会った夜に話したとおり、48歳で生涯を終えさせられるまでをとても丁寧に描いていたかと思います。
自分は、ハーヴィー・ミルクのことをあまり予習せずに観たのですが、途中では、彼のことを応援しながら観ていたように思います。
それから、自分の踏み出す方向が、政治を通じてマイノリティの権利獲得ということに軸を振ってからがなんというか、これ、男女間もあるか?と思ったりしましたね。 ただ、なんというか、私にとっては、ゲイの結びつきってなかなかオープンにできなかった時代は、強いつながりを求めるのかなということが、驚きとちょっと濃すぎるポタージュスープを飲まされた感じに受け取れました。
おそらく、市政委員になってからの彼は、最初に”恋人”に出会った時のことは思い出したくても、それを過去に押しやろうとし、そして、自分を慕ってくれるジャックの存在については、”恋人”ではなく、自分の気の紛らわせ場所であり、良心の呵責の償い場所だったのかなって思いました。
それにしても彼自身は、とても頭のいい人だったんですね、だから、40歳までの生活もできたのだし、その後、彼を慕って多くの”仲間”が集まったことがわかりました。
ただ、ほめるだけでなく、彼自身、ネゴシエーターでもあったわけで、それを見逃すのはいいはずはなく、映画ではその部分を見事に描いていたのではないだろうかと思います。
映画としては、記録フィルム・テレビ映像と撮影のミックスもなかなか当時の雰囲気を描くのにはプラスになっていたと思いますし、「カストロ通り」、昔「行くな!」って誰かに言われた時代を思い出し、こういうことだったかと理解?した映画でもありました。
監督よりも単純に過去と映画上の現在を飛び回るのではなく、時系列に描いたのは正解。それだけに、脚本のダスティン・ランス・ブラックがオスカーを取ったのはなるほどなのかもしれないし、ショーンペンは、それこそ、「気色悪い」(爆)くらいに、お○まちゃん言葉と仕草が似合ってました(ぇ)。ので、オスカーもまあ正解かな。
っていうか、アカデミーの会員さんでもいるんじゃないの(ぇ)。
ラスト、彼を追悼する”行進”は、それまでの”彼ら”の行動とは打って変わって、それこそ真摯に彼を弔い、その意志を継いでいく決意もあり、まあ、感動的ではありました。
【私の採点】(採点のあとは、思いっきりネタバレしますので(ぇ))
★★★★
(満点10点 ★:2点。☆:1点)
ってほめてますが、やっぱり8かなぁ。
って理由は、おわかりだと思いますが、自分もダメでした。
その辺はあとで。先に蘊蓄部分にします。
映画的には、ショーン・ペンの他に「イン・トゥ・ザ・ワイルド」で主役を演じたエミール・ハーシュが、政治活動での彼の秘書的ポジションのクリーヴ・ジョーンズを好演してました。
い「イン・トゥ・・・」とは全く違った感じで演じており、それこそ参りました。それから、「ノーカントリー」で追っかけ回される役を演じたジョシュ・ブローリンも政治好きな役所を好演してました。
それから、たぶん、一番おいしかったのは、スコット役のジェームズ・フランコじゃあないでしょうか。最初は、ソフトパーマのアフロ気味でしたが、ハーヴィーと別れてから今度は、それこそフレディーを彷彿させるような短髪そして髭。で、演技的にも、ハーヴィーをずっとリードするのですが、まあ、最後まで恋人→同士→元恋人→旧友といった関係で居たのでしょう。そんな風なので、その手の人(?)には喜ばれるのかな。
なによりもショーン・ペンですよね。どっちかというと、彼の演技は空回り的なのですが、まあ今回は、ハマり役?だったようで、そう、ちょっとキモチワルイ(爆)くらい。おすぴーさんが言いそうな感じの声が酒でも飲まないと消えなかった(汗)です。ただ、お○まちゃんらしく(?)いちゃいちゃしているときの声(”彼”の誕生日にいたずらするのですが、またこれが・・・)と政治家として、民衆の前でアジってるときの声が違うところも凄かったです。
それくらいなりきり度すごかったのでは?
それから、映像でしょうか? 70年代、ちょうどヒッピームーブメントと合わせ、いわゆるストレートとゲイの話が出だしてきて、そして、バイがあるとかいう話とかというか存在がマスコミで取り上げられるようになっていったわけで、その頃の映像を、やや解像度を落として見せていたのもなんとなくリアリティありで、その当時の雰囲気に入り込めたかも知れません。
そして、当時は、いわゆる戦後の抑圧から脱却が始まった時期であり、いわゆるマイノリティといわれたあらゆる人たちが徐々にではありますが、その権利を獲得していった。そのなかで、ハーヴィーミルクの果たした役割は「はじめての・・・」と言う意味は意義があるということも言いたかったのかな。
さて、お待たせしました。
この映画、PG-12なんですが、いや、まあ、もう、そうです、彼と”彼女”のラブシーンの濃厚さにはややお疲れモードになりました。
観るとまず、びっくりですが、ハーヴィーとスコットが出会うシーン。
あれは、よく言われる、あっち系の人が出会う場所なんでしょうか。それとも、ほんとに出会い頭に、「こいつ、タイプ」とナンパしたのでしょうか。すごいよなぁ。よく、彼らには、彼らのフィールドにいる人間がわかるというのですが、そんなもんでしょうかね。
で、濃厚なキス。その後、ちょっと女々しくなるハーヴィーがまた・・・。
ちょっと前に、「ブロークバック・マウンテン」という映画がありまして、コン・リーが、まあその世界を描きましたが、そんなもんじゃないですよ。
自分、ムリッすそれは・・・。
ただ、一つ付け加えておくと、やはり女性であっち系だったアン・クローネンバーグをハーヴィーが仲間にいれたところが薄かったのがやや不完全燃焼で、そしてその後、アン・クローネンバ-グが3人の母親になったのもちょっとした驚きと、やっぱりね、かな。
女性のほうが転換はありそうだもの(これも偏見ですよね)。
残念なのは、最後のシーンは確かに感動的なのですが、うん、彼があらゆるマイノリティに心を注いだのかと言う描写の少なさと、そして、ダン・ホワイトの苦悩がもう一つ理解できなかったですね。たぶん、題材が少なかったから?
ちなみに、伝記的な映画もすでに作られているらしく、興味があれば、上映館をさがしてみては。
【製作メモ】 from
All Cinema ONLINE
原 題 MILK
メディア 映画
上映時間 128分
製 作 国 2008年 アメリカ(FOCUS PICTURES)
公開情報 劇場公開(ピックス)
初公開年月 2009/04/18
ジャンル ドラマ/伝記
映 倫 PG-12
《公開時コピー》
「ミルク」は、希望のはじまりだった。
1970年代のアメリカ。マイノリティのために戦った政治家
ハーヴィー・ミルク…人生最後の8年間
監 督 : ガス・ヴァン・サント
製 作 : ダン・ジンクス
ブルース・コーエン
製作総指揮: ダスティン・ランス・ブラック
マイケル・ロンドン
ブルーナ・パパンドレア
バーバラ・ホール
ウィリアム・ホーバーグ
脚 本 : ダスティン・ランス・ブラック
撮 影 : ハリス・サヴィデス
プロダクションデザイン:
ビル・グルーム
衣装デザイン:ダニー・グリッカー
編 集 : エリオット・グレアム
音 楽 : ダニー・エルフマン
出 演 : ショーン・ペン ハーヴィー・ミルク
エミール・ハーシュ クリーヴ・ジョーンズ
ジョシュ・ブローリン ダン・ホワイト
ジェームズ・フランコ スコット・スミス
ディエゴ・ルナ ジャック・リラ
アリソン・ピル アン・クローネンバーグ
ルーカス・グラビール ダニー・ニコレッタ
ヴィクター・ガーバー モスコーニ市長
デニス・オヘア ジョン・ブリッグス
ジョセフ・クロス ディック・パビック
ハワード・ローゼンマン デヴィッド・グッドスタイン
ブランドン・ボイス ジム・リヴァルド
ケルヴィン・ユー マイケル・ウォン
スティーヴン・スピネラ リック・ストークス
ジェフ・クーンズ アート・アグノス
テッド・ジャン・ロバーツ デニス・ペロン
※写真関係はあとで追記します。
※追記するとは思います。